このページでは、足回りの試行錯誤について書いていこうと思っています。
このデルタを買ったときに付けたのがアラゴスタ。ちまたの評判がイイのと、
車高調、減衰力調整がついていたので、悩んだ挙句付けてみました。
標準設定が、F:12kg, R:8.8kg なのですが、これだとやはり硬すぎる思い、
F:9kg, R:6kg というそれほど硬そうでもない設定に。
確かに操縦性はすばらしい!ワインディングでも軽快に、思い通りに走ってくれます。
だた、やはり町乗りをするにはちと乗り心地が悪いのです。
サーキットも走りますが、どうしてもメインは町乗りになってしまいますので、
これは頭の痛い問題ですよね。こればかりは、調整しても調整しても結局どこかは
妥協せざるを得ないところであります。それに調整するにもお金が・・・
とりあえず、自分の理想に近づけるべく、試行錯誤の様子を御紹介して行こうと思います。

(1) フロントに 7 kg のばねを入れてみた
友達のユーロR乗りに 7 kg のばねを貰いました。持つべきものは友達ですねぇ。
早速付けてみました。今回は初めてストラトのばね交換に挑戦するので、交換の様子も交えて御紹介します。

※この作業順は、あくまで我流なので、正しく安全かどうかは判りません
内容については責任を負えませんので、作業する際は前もって自分で確認するか、潔くショップにお任せしましょう


まずは、ブレーキラインとABSセンサーのケーブルをはずします。
センサーは、矢印の部分に嵌めてあります。ブレーキラインは、後ろにナイロンバンドで固定されてたのではずします。
バンドを切るときは、ブレーキラインに傷つけないよう、御注意を


先に、車高調のストッパーを緩めておきます。
ショックを外してからでは、硬すぎて何かに固定しないと手では到底緩みません。
私の作業場は近所のオート○ェーブなので、この状態が一番固定されていて作業しやすいです。
最初は手では緩まないので、他に当らないよう金槌で柄の部分を叩くと緩んできます。
余談ですが、これに気が付く前に、いったん外してどうにも取れず、また付けて家に帰って、
とあるショップに電話して工賃聞いたらアラインメント込みで3万4千円と言われたので、
丁重にお断りして、数分考えた挙句、このやり方に気が付き、再度オート○ェーブに行って作業再開しました・・・


緩んだところ

先に、下の部分のハブと固定されている取り付けねじを外します。
これは比較的簡単に外れました。


こいつは、ABS のケーブルを固定していた金具。


次にアッパーマウント部分を外します。
ねじが結構長いので、ラチェットヘッドは深い方が良いです。
私は一度舐めてしまいました。。。

これでショックは外れます。


外れました
外す際は、ブレーキやケーブルに注意しつつ、注意しながらそ〜っと外していきます。


ショック外したらブレーキが落ちてくるもんだと思い、下に工具箱置いておいたら、そのまま浮いてました。
スタビで支えられてるみたいですが、怖いので、一応置いておきます。
またショックを外すと、ブレーキ部分が傾くので、やはり何かで支えておいた方が良いです。


ショックのバラシに入ります。
ばらす前に、ストッパーの位置に印を付けておきます。
でないと組みなおした時の基準が判らなくなって、車高がおかしくなってしまいます

まずは、ハブと固定されていた部分をクルクル回して外し、ストッパーも外し、
最後にスプリングを抑えている金具も回しに回して外します。
作業の中でこれが一番疲れたかも。。。


ばらしたところ。

上が 9kg 、下が 7 kg のスプリング。
やはり、線の太さやピッチが違い、9kg の方がごついですね。
手で押しても、硬さの違いは判ります。どちらも殆ど縮まないけど。
ちなみに、自由長は 200mm でした。


組むときは、ばらした時と反対の順番で作業すれば OK です。
車高がどうなるか判らないので、とりあえず、同じ長さにしておきます。
最初、1cm くらい長くしておこうかと思ったんですが、ショックが若干長く、
一度外したときに、入れるのが若干きつく、ハブと合うかどうか判らなかったので、
同じにしたのですが、それが後で仇となるとは。。。


車体への取り付けは、先にアッパーマウントから付けた方が楽です。
ハブと合わせるのは、少しきついかもしれませんが、穴にドライバー挿して、てこの原理を使うと楽です。
最後にケーブル類を固定すれば終わりです。


車高が若干下がったような・・・
まぁ、このくらいで丁度いいか!
とこのときは、交換した満足感に浸り何も考えてなかったのです。


この時すでに、日もだいぶ傾いていたので、とりあえずこのまま帰ることに。
走り出してすぐに、「なんか変・・・」
ハンドルが中心から少しでもずれると、急にハンドルが捕られる(? ?)
とにかくすぐに車を止めて、眺めていると、トーがアウト側に!!!
こんなにも変わるのね・・・やっぱり、1cm 長くしておくべきだった。。。
とりあえず、家まで帰ることにしたのは良いが、真っ直ぐ走ってるのに、タイヤが鳴くのは初めてです(ToT)
結局アラインメントは取ってもらわないといけないので、
やはり先のショップさんの値段はまんざら高くも無い気がしてきました。。。
でも近所のオート○ックスに聞いたら、デルタはやってくれないんだそうです
さ〜て・・・

あ、肝心の乗り心地ですが、違和感に気を捕られ、正直まだ良く判りません。
でも、帰りの道でも印象は結構違うので、だいぶ柔らかくなったと思います。

(2) 車高を戻してみた
トーアウトを解決すべく、車高を調整しました。
10mm 程上げてみたところ、トーアウトが直り、ハンドリングも嘘のように素直になりました。
10mm でこんなに変わるもんなんですね・・・。
でも左右の車高は合ってるのに、走ると若干左により気味になるのは、運転手が乗ってるからでしょうか?
こればかりは乗っては調整を繰り返すしかなさそうです。
あと、取り付けるときタダでさえ入れずらかった、ハブとの取り付け部位が、
更にずれてしまい結構入れるのに苦労しました。
恐る恐る、ハブに体重を乗せつつ「えいや!」でボルトを差込み何とか入りました。
何はともあれ、ちゃんと走るようになってよかった(ホッ)

そうそう、肝心の乗り心地ですが、だいぶ良くなりました。これなら町乗りでも許容できるレベルだと思います。

【後日談】 トーアウトの原因ですが、実は車高のせいではないことに気が付きました。
ショックの取り付け用の穴が少し大きく、取り付けのときに外に広がった状態で締めたため、
トーアウトになってしまっていました。これをきちんとショックを奥に押した状態で取り付けたらあっさり直りました。。。

(3) リアも変えてみた
フロントの改善に味をしめて、リアも変えてみました。
ばねは、Swift の 5kg で、Z65-228-050 という品番です。
長さは私の計測ミスで 20mm ほど短い物を買ってしまいました・・・
本当は 250mm なので、Swift でも 254mm があるのでそちらを買うべきだったかも。
ただ言い訳ではないですが、1 本あたり 400g 軽いので良かったかなと・・・
元々付いてたメルヴェのばねは 6kg なのですが、こう見ると、ほんの 1kg の違いでも線の細さや密度が
全然違い、重さもだいぶ違います。
物の本によると、材質や線の細さ、巻きの密度によって、伸縮速度が変わってくるので、
同じ Spec でも、乗り心地は違うとのこと。(早く動くほうが乗り心地は良く感じる)
それを裏付けるかのごとく、たった 1 kg の違いとは思えないほど、乗り心地が良くなりました。
以前に比べて、サスが動いてるのが、ちゃんと感じ取れるようになり、
マンホールで跳ねていたのが、ちゃんと縮んでくれて、あまりショックを感じなくなりました!

町乗りは、これでまぁまぁ快適に走れるようになったので、あとはサーキットでどんな走りを見せてくれるかが楽しみです。
とりあえず、ばねレートはこれでひと段落。次は減衰の仕様変更するかどうか悩んでます・・・

(4) ノーマルってどうなの?
私のデルタは最初からアラゴスタだったので、ノーマルの乗り心地を知らないのです
バネを変えて町乗りもまぁまぁできるようになったとはいえ、突き上げは激しいし、
人を乗せるのも気を使うし、でもサーキットは気持ちよく走りたいしで何かと悩んでいたのです。
なので用途によってバネを変えたりしてたのですが、とっても面倒なので、いっそのことノーマル相当の
ショックを一式買って変えれば、そんなに大変じゃないんじゃない?なんぞと思ったのが発端で、
ヤフオクで KONI の中古を手に入れました。まぁ中古なので程度は良くはないしはっきり言って抜けてましたが、
まぁ、バネも柔らかいしすっごく変わるんじゃないかと期待してたのですが・・・

まず、何より交換自体がとっても大変・・・これは計算外。
アラゴスタは、ショック本体の全長が短いので難なく取り外しできるのですが、
ノーマル相当だと、全長が長いので、リアは両輪上げないと入らないし、 フロントなんかはスタビを外さないと入らない始末(T T)
アラゴのバネ変えるより時間かかってしまいました・・・
肝心の乗り心地も、「あれっ???」って思ったくらい、あまり変わらず。
確かにストロークの長いうねりとかは「あ、柔らかい♪」って思うのですが、
突然の段差とか首都高の継ぎ目とかでは、ショックが抜けているせいか、フロントがすぐ底付きしてしまい
突き上げが激しく、とても乗り心地が良いとはいえませんでした。
まぁ、新品のショックは全然違うのでしょうけど、なにせ新品となるとお試し価格とは行かないもので(^^;
新車当時を知ってる方どうなんでしょうか?

(5) 結局・・・
アラゴスタの減衰力の仕様変更をしてもらいました。
初期値は F:12kg、R8.8kg に合わせられた減衰力なので、私の使う 5〜7kg 付近のバネでは、
減衰力調整を目一杯下げても減衰が強すぎるのです。
使うばねの強さと、ストリートユース中心で使うということをお店に伝え、
細かい調整は、お店とアラゴスタにお任せしました。
その結果は?
これがマイルドになって、嫌な突き上げも無くなって良い感じになりました。
バネとの相性も丁度良いです♪
仕様変更後、お店の走行会でスポーツランド山梨を走りましたが、
F:7kg、R:5kg で、減衰調整は 6 (真ん中) で、丁度良いくらいでした。
この仕様なら、もう少し高いバネレートでも大丈夫そうですし、
逆に 3〜4 kg くらいの低いレートも調整の範囲内で使えそうです!
お金は結構掛かったけど、これなら納得の行く足が作れそうなので大満足です!

(6) 更に・・・
レートを下げました。
R:4kg です。「せっかくのアラゴスタが・・・」ってお言葉が聞こえてきそうですが(^^;
私は、あくまでストリートユースを中心に試行錯誤しているので、乗り心地はある程度確保したいのですよね。
そうすると F:7kg、R:5kg は、それほど苦は無く乗れるんですが、長距離ツーリングなどで丸1日とか乗ってると結構疲れるんです。
それに同乗者がいる時は、最後は間違いなく疲れきってます・・・
なので、リアを 4kg にし、余った 5kg をフロントに付けてみました。
町乗りの範囲では、リアは意外と硬くて、5kg より「若干柔らかくなったな」って言う程度しか私には感じられませんでした。
でもサーキットも走るとなると、これくらいは無いと、底付きやインナーフェンダーを削ったりしてしま恐れがあるので、下限のような気がします。
フロントですが、5kg はちょっと柔らかすぎのように感じます。
もちろん乗り心地は良いのですが・・・
一番の心配は、車重で沈み過ぎ、思うように車高が上がらず、ストロークがあまり確保できなくなるので、
底付きの心配があります。ストローク的には、7kg でも若干余裕がある程度だったので、5kg は間違いなく足りないと思います。
街中や高速を走った感じでは、とりあえず大丈夫そうでしたが、人が乗ったりするとちょっと心配です。
なのでフロントは、6kg あたりが落としどころかと思っています。

(7)いろいろ悩みましたが
F:6kg、R:4kg に落ち着きました。
それぞれのショップで出してる、ストリートユースのショックもこのあたりのようですね。
正直サーキットではもっと高いレートが欲しいとこですが、
自分の用途としてどこに重きを置くかを考えて、割り切るしか無いですね・・・。
私の場合は、ストリートが中心になりますので、
町乗りやワインディングでの乗り心地をある程度保っているかを確認したうえで、
サーキットを走るためにどこまで固めるかを試行錯誤しながら、バネをいろいろ変えてきました。
結果、サーキット走行をするには、柔らかい足になってしまいましたが、
だからと言ってサーキット走行がつまらなくなるわけでは、決してありません。
逆に、荷重移動がし易くなり、私にとっては走りやすくなりました!

大事なのは、バランスだと思います。
せっかく好きな車に乗ってるのですから、嫌気が差すような弄り方は勿体無いですからね!

(8)試しに
これまで、ショックのセッティングに明け暮れていたのですが、
昔MGに乗っていた時に、お店の人に言われた「これ足硬いねぇ。タイヤにたいぶ助けられているよ」
って言葉を思い出し、タイヤサイズを変えてみることにしました。
標準サイズ 205/50/15 のところを、195/55/15 に細くしてみたのです。銘柄はサーキットも走るので NEOVA です。

これが結構効くんですよ!
乗り心地も良くなるんですが、細くした影響で、ハンドリングも軽くなり、素直な感じになりました。
元々 8V までは 195/55/15 だったし、普通に走る分には全然問題ないですね。
サーキットでも、タイムは変わらないし、正直私には違いは判りませんでした。
このくらいの差だと、見た目も殆ど判らないし、町乗り専門の人で、乗り心地やハンドリングの軽快さ
が気になる人は、デルタに限らず、1 サイズ細くしてみるのもいいと思いますよ。
但し、外径だけは同じサイズになるようにしましょう。

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